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Column

2024.04.18

事業承継も逆算で考える

前回のコラムで、「事業承継もまずは現状分析から」とお話させていただきましたが、今回はその続きです。現状分析をした後にすべきことは、ゴールを決めることです。ゴールを決めないと進みません。厳密には一定のところまでは進みますが、必ずどこかで進めなくなるタイミングが訪れます。今回はゴールを決める重要性について、お話させていただきます。

この記事のポイント
  • 事業承継の進め方のポイントがわかります。
  • 事業承継は不要不急だからこそ、ゴールを決めないと進みません。

ゴールを決める重要性

ゴールと一言で言ってもゴールには大きく3種類あります。①経営(事業)、②所有(自社株式)、③家族(財産・家訓)です。そのうち、特に決めなくてはならいのは「社長を辞める時期(①経営)」です。
事業承継は不要不急であることが多いため、多くの経営者様が課題感を持ちつつも、なかなか進められないケースが多いです。特に創業者であればなおさらです。人生=経営としてこれまで突っ走って来られた創業者からすれば、頭ではわかっていても心が拒否するというのは当然だと思います。
しかし、社長を辞める時期を決められるのは社長だけです。どんな辞め方にするかを決められるのも社長だけです。後継者も絶対に決めることはできません。社長しか決められないことを決めずに先延ばしし続けると、決断をすることがどんどん難しくなります。また、辞める時期を決めずに経営を続けることで、いざ承継を考えたときには後継者や幹部メンバーが育っていない(育成開始が遅い)ということがあります。
どんな辞め方をするかを決められるのは社長だけです。そのときの環境次第では、結果として辞める時期が変わることもあると思いますが、まずは「決める」ということが重要です

社長の交代後の「役割」

一方で、「社長を辞める=会社を辞める」ということではありません(完全に退職するケースも稀にありますが)。社長を辞めるというのは、あくまで経営者という「役割」を後継者に譲るということになります。社長という役割を後継者に譲った後の役割は…それを事前にしっかり決めておくことが大切になります。人材育成、理念伝道者、新規事業開発、経営相談など、社長のこれまでの経験や得意領域は会社経営にとってとても重要になります。 社長本人が多くを語らない場合は、後継者から社長交代後の役割を打診するのも手かと思います。これまで経営者をやってきた社長にとって、経営者という役割がなくなるというのはなんともいえぬ不安があると思います。社長の辞める時期を決める際には、その後の社長の役割も一緒に決めることが必須です。

暫定でもいいので「事業承継計画」に落とし込んでみる

社長を辞める時期以外にも、自社株式の承継時期、社長個人の財産の承継方針など、決めることがたくさんありますが、これらは暫定でも構いませんので、一旦「事業承継計画」に落とし込んでみてください。暫定であっても見える化するだけでリアリティがだいぶ増します。定期的に内容を更新していくと良いと思います。

事業継承計画のサンプル

横浜総合事務所では、事業承継の専門チームを中心として事業承継に関する各種ご支援をさせていただいております。事業承継に関する疑問点や質問などございましたら遠慮なくご連絡ください。

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この記事を執筆したのはです
足立 祐介(Yusuke Adachi)
Team事業承継・税務支援
マネージャー
上級経営会計専門家
税理士
1984年生まれ、横浜育ち。大学卒業後、横浜総合事務所に入社し、4年間、中小企業の会計税務支援と上場企業の税務監査業務に従事しました。その後、大手税理士法人に転職し、税務関連業務は継続しながら、事業承継の業務にも従事。様々な経験を積み、2022年1月に横浜総合事務所に再入社しました。現在は、中小企業の永続発展に貢献すべく、事業承継支援、経営計画策定支援を中心とした経営コンサルティング業務に従事しております。 お客さまのビジョン実現に貢献すべく、お客さまの成長スピードに負けないよう、常に成長してまいります。
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