2024.04.02
事業承継もまずは現状分析から
事業承継を進めていきたいが、下記のような点でなかなか進まない経営者も多いと思います。
- 自社株式の評価額や後継者に渡すときのコストがわからない
- 後継者がいないので廃業するしかないのか
- 何をどう進めていけばいいのかわからない
- 顧問税理士に相談しても地道に株式を贈与する、事業承継税制を使うといった方法だけが提示され、納得感が得られない
事業承継の進め方は、まずは自社を知ること、つまり現状分析がスタートとなります。今を知り、将来のありたい姿を描き、その課題を見える化して解決していく。事業承継は、オーナー一族が関与するという点が特殊ですが、会社経営そのものです。
現状分析は、下記の3つのステップで検討していきましょう。
この記事のポイント
- 事業承継の進め方の第一歩がわかります。
- 現状分析の具体的な内容を知ることができます。
①事業承継の「関係者」の現状分析
自社を取り巻く「関係者」について、状況の見える化を行います。
- 経営者:経営者の年齢、健康状態、引退時期の考え
- 後継者:後継者候補の有無、従業員からの信頼、後継者教育、後継者との将来ビジョンの共有
- 組織の状況:会社全体の活力、従業員への権限移譲、経営者の補佐体制
- 人材育成の状況:従業員の年齢構成、従業員の定着率、従業員教育
- 協力者の状況:経営相談ができる外部ブレーン、金融機関との関係、取引先との関係
②企業風土や経営管理状況など、「経営」の現状分析
自社の企業風土や経営管理状況など、「経営」全般の見える化を行います。
- 企業風土:経営理念の浸透度、5年後ビジョンの浸透、環境整備
- 経営状況:市場動向、商品と市場ニーズ、販売戦略
- 経営管理:経営計画、予実管理、月次試算表の完成時期
- 財務管理:部門別の収支、売上推移、資金繰り
- 承継方法:事業承継に関する知識、適用可能な方法
③経営者の財産・相続人など、「財産」の現状分析
経営者の「個人財産」の承継も、事業承継を構成する大切な要素の一つです。
- 財産の状況:経営者個人の財産、会社経営に必要な個人資産、債務保証の内容や金額
- 財産の評価:相続税の課税価格、相続税額
- 相続の知識:遺留分や寄与分、遺言書の作成方法
- 事業承継の準備:遺産分割案の作成、承継後のライフプラン
- 事業承継の環境:親族関係、親族との事業承継の相談
横浜総合事務所では、月に1回または随時開催という形で「事業承継型 戦略の日」を開催しております。この「事業承継型_戦略の日」では、上記①②③について、スコアリングすることで、現状をとらえやすくしています。
「戦略の日」同様に、事業承継についてじっくり考えていただく環境をご用意しておりますので、ぜひご参加ください。