数字は友だち!
- 決算書のポイントを抑えることが出来ます
決算書で「今」を知る!
前回まで「未来会計」についてお伝えしてきましたが、経営をしていく上では、未来を考えるだけでなく現状を把握することも重要です。特に、決算書は創業から現在までの物語が数字で表現された、いわば会社を映す鏡でもあります。「決算書は健康診断である」と言われる通り、決算書の数字を読み解くことができれば会社の今の状態がわかります。今回は、企業であれば、避けて通れない決算(決算書)に焦点を当ててみたいと思います。
決算書を読み、目標を持つ!
企業価値は、「定性」「定量」の両側面からチェックされるケースが多いと思います。言うまでもなく、定性評価は数値化することができないサービス内容や積極性・協調性などです。定量評価は数値化したデータを用いて客観的に評価できるもの、すなわち、決算書は定量評価されたものということになります。そして、中小企業の経営における決算書は「会社の現状を正しく把握するため」、「会社の将来を考えるため」に存在する最も重要なデータと言っても過言ではありません。
では、決算書を経営に活かすにはどうすれば良いのでしょうか。
- 貸借対照表と損益計算書の体系を理解する!
- 現状分析(財務分析)で会社の状態を知る! ←今回はココ(指標のみ)
- キャッシュフローを把握する!
『貸借対照表』から考えられる財務指標!
会社の業績を見る時、多くの経営者は「売上高」や「利益」を最初に確認するのではないでしょうか。もちろん「売上」や「利益」は重要ですが、貸借対照表には、会社の設立から現在に至るまでの「資金の調達源泉」「資金使途」が読み取れますし、「純資産の部」に記載されている「繰越利益剰余金」は会社が設立してから現在までの利益の累積が確認できたりします。そして、何と言っても、貸借対照表には会社の生命線でもあるキャッシュが明記されているのです。
旧日本電産㈱の永守会長は、著書「経営とお金の原則(日本経済新聞出版)」で、次のように言っています。
「一度目を閉じて自社のバランスシート(貸借対照表)を思い浮かべてみてほしい。『現金がこれだけあり、売掛金はこれだけ、一方で借入金はこれくらい…』というように瞬時に数字が頭に浮かぶだろうか。」
では、本題に入っていきます。
貸借対照表で見る財務指標には、当座比率や自己資本比率などさまざまな指標があり、これらは決算書があれば計算できますが、まずは、会社の現金・売掛金など手元の運転資金がどのくらいあるか、借入金はどのくらいで、何年で返済できるか、現状を知ることがとても大切です。
その上で、例えば、
5年後は、、、
「手元資金は〇〇円まで増やす」「借入金を〇〇円まで減らしていく」というように具体的な数値目標を立てると良いでしょう!
『損益計算書』から考えられる財務指標!
損益計算書は、常日頃チェックする機会が多いかもしれません。損益計算書で見る財務指標には、売上高営業利益率や損益分岐点売上高などがありますが、そもそも利益を確保するための大原則は、売上を伸ばして経費を最小限に抑えることです。売上は商品や市場ごとに分類し、経費は経常的に発生するものと投資と捉えられるもの(戦略的)に分けるなど、管理会計の要素を取り入れると収益構造を把握でき将来の戦略にも繋がります。
その上で、例えば、
5年後は、、、
「売上高を〇〇円まで伸ばす」「営業利益は〇〇円を確保する」といった具合に将来の数値目標を立てると良いでしょう。
決算書から会社の現状を知り、将来に活かすためのデータです。一つ一つ、紐解いていくと会社の実態が見えてきます。始めは、一定の規定に基づき、数字が並んでいる決算書を読み解くのは大変かもしれません。
しかし、『数字は友だち!』です。決算書や会計を味方につけて、会社経営に活かしていきましょう!
横浜総合事務所では、『未来会計』を通して中小企業の「ビジョン実現」をサポートしています。
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