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Column

2025.04.16

マーケティング戦略の基礎:4P(4C)を知る!

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(50歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます

第13回目のテーマは…マーケティング戦略の基礎・4P/4C分析を知る!

前回からマーケティングを学ぶ基礎知識編に突入し、STP分析についてお伝えしました。
STP分析について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
マーケティング戦略の基礎:STP分析を知る!

効果的に自社の商品・サービスをお客様に届けるために、セグメンテーション・ポジショニング・ターゲティングを設定することはマーケティングの基礎といえます。
しかし、STP分析に基づいて考えた、商品・サービスの中にも、【売れるもの】【売れないもの】が実際には存在します。そこで、その違いを説明するフレームとして生まれたのが、【4C/4P】の考え方となります。今回はこの2つのフレームワークについて考えたいと思います。

マーケティングの基本構造としての4Pとは?

4Pとは、製品(プロダクト)、価格(プライス)、流通(プレイス)、販促(プロモーション)の4つの要素の頭文字をとった言葉です。マーケティングミックスとも呼ばれ、アメリカのマーケティング学者E.J.マッカーシーが1960年に提唱したフレームワークです。4つの切り口で自社の商品・サービスの市場への展開方法を考えることが有効と考えられています。

4P視点の戦略要素は以下のとおりです。

要素 説明
Product
(製品戦略)
ターゲット市場に対して、どのような製品やサービスを提供するかを決定します。製品の品質、デザイン、機能、ブランド、パッケージ、アフターサービスなどが含まれます。
Price
(価格戦略)
製品やサービスをいくらで提供するかを設定します。価格設定には、 コスト、競合他社の価格、ターゲット顧客の支払い意欲、市場の需要などを考慮します。
Place
(流通戦略)
製品やサービスをどのような経路で顧客に届けるかを決定します。 販売チャネルの選択、物流、在庫管理、店舗の立地などが含まれます。
Promotion
(販促戦略)
製品やサービスの存在や特徴、魅力をどのようにターゲット顧客に伝えるかを計画します。広告、広報、販売促進活動、SNSキャンペーンなどの手法が含まれます。

4Pは個々の要素をバラバラに考えると整合性がとれなくなるため、一貫性をもったマーケティング戦略を考える上で、重要な視点といえるのです。

顧客視点への転換…4Cとは?

4Pは大量生産の時代に生まれたマーケティング思考と言え、企業がどう売るか?を中心に考えられてきました。そこで従来の4Pでは多様化する市場には不十分だとして、1990年【4C】はマーケティング学者のロバート.F.ラウターボーンによって顧客中心の視点で提唱されたフレームワークです。4Cは、4Pを“顧客側の視点”で置き換えたもので、右の4つの要素で構成されます。

4C視点の戦略要素は以下のとおりです。

要素 説明
Customer Value
(顧客価値)
商品やサービスが、顧客にとってどんな価値・メリットをもたらすのか。スペックではなく、「便利さ」「楽しさ」「安心感」といった価値に注目。
Cost
(顧客コスト)
顧客がその価値を得るために支払う“金銭的コスト”だけでなく、時間、労力、心理的負担といった“見えないコスト”も含めて考える。
Convenience
(利便性)
顧客が商品やサービスを「どこで、どうやって」手に入れられるか。オンラインとオフラインの使いやすさ、購入フローの簡便さがポイント。
Communication
(対話・関係)
一方的な広告ではなく、顧客と“対話”を通じて関係を築くこと。SNSやレビューなど、双方向のやりとりが重視される。

4Cを意識することで、「どう売るか」ではなく「どう選ばれるか」にフォーカスしたマーケティングが可能になります。

4Pと4Cの使い分けとは?

ここまで、4Pと4Cについて説明してきましたが、どちらもマーケティング戦略を立てる上で役立つフレームワークですので、状況に応じて使い分けることが重要です。
使い分けのポイントは以下のとおりです。

  1. 戦略を立てる初期段階では「4C」

    顧客のニーズ、価値観、購入行動などを理解するために4Cを活用。「お客様が何を求めているのか?」という問いからスタートすることで、的外れな商品開発やプロモーションを避けられる。

    例:「この商品は“安い”ではなく、“手間が省ける”ことに価値を感じてもらえるか?」

  2. 具体的な施策やマーケティングミックスを設計する段階では「4P」

    4Cで得た顧客理解をもとに、具体的に「何を」「いくらで」「どこで」「どう売るか」を設計。企業が自分たちのコントロール可能な要素を整理するのに適している。

    例:「その“手間が省ける”価値をどう伝えるか? どのチャネルで販売するか?」

  3. 社内向け:4Pで整理、社外向け:4Cで伝える

    社内でマーケティング戦略を共有するときは4Pで整理すると論理的で伝わりやすい。一方、顧客やステークホルダーに向けて説明する場合は4Cで語ると共感を得やすい。

両者は対立ではなく“補完関係”

4Pと4Cはどちらが正しいというものではありません。むしろ、「4Cで顧客を理解し、4Pで具体策に落とし込む」という流れで、両方をセットで使うのが実践的なアプローチです。

まずは、自社の主要商品の4P/4C分析からスタートしてみてはいかがでしょうか?

社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬(Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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