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Column

2025.01.08

中小零細企業における管理会計レベル!~現状把握~

管理会計とは?

企業経営において重要な「会計」は、「財務会計」と「管理会計」に大別できます。「財務会計」は、株主や金融機関などのステークホルダー(利害関係者)に公表する決算書などが該当します。中小企業であれば、税務署に提出するための決算書が該当すると考えられます。言い換えると、過去の業績を正しい決算書にまとめることです。これに対して、「管理会計」は、企業経営における業績確認や意思決定のために使用する管理手法であり、現状や未来の数字を活用して、どのように事業を推進していくかを決断していくことが主な目的になります。言い換えると、経営に必要な情報を収集し、経営者や経営幹部が経営に活かせるように加工して使用するものです。「管理会計」には明確な定義はありませんが、企業が管理会計のレベルを向上させることは、企業が利益を確保し続けるために必要な仕組みであるといえます。

この記事のポイント
  • 管理会計に取り組むキッカケに!

企業の利益(赤字)状況!

日本の赤字企業は、企業全体(連結法人を除く)で約291万社のうち約177万社が赤字企業であり、その割合は約60%超となっています。赤字法人の割合は、リーマンショック後の2010年に約72.8%にまで上昇しましたが、雇用調整助成金や持続化給付金などの金融支援もあり、赤字企業の割合は減少傾向にあります。つまり、近年は赤字企業が減少傾向にあるものの、赤字体質であることに変わりはなく、「赤字が当たり前」になっている状況といえるかもしれません。このままで良いのでしょうか。

赤字企業の割合
出典:国税庁『会社標本調査』

上記の図からも読み取れますが、日本企業の60%超が赤字企業となっている状況の中、企業は利益を上回る経費を支出しても、すぐに倒産することはありません。
その理由は、いくつか考えられると思いますが、
例えば、

  1. 過去の内部留保が十分にある。
  2. 不動産など現金化できる資産を保有している。
  3. 外部からの資金調達が可能である。

このように、キャッシュフローを維持できる場合は、経営を続けることが可能です。

◆管理会計のレベル!

赤字企業が黒字化を目指すためには、管理会計の取り組みが重要になってきます。
(もちろん、黒字企業がより利益率の向上を目指す場合も同様です)。
ただ、中小零細企業の場合、人的リソースが限られているため、経営者が会計に携わることも多く見受けられますが、「会計」が業績管理や意思決定に重要な役割を持っていると考えると、管理会計のプライオリティは高くする必要があります。

中小企業庁は、企業の管理会計のレベル感を以下の図のように分類しています。
「会計」は学問でも経理でもなく、経営を可視化したものであると表現しています。すなわち、企業経営において企業のステージに合わせて管理会計レベルを向上させることの重要性を説いています。

事業承継の構成要素
出典:中小企業庁ホームページ「『経営力向上』のヒント」

◆何から始めるか!

大企業でも中小企業でも利益を確保できないと企業は成長しません。地域経済や日本経済も活性化しませんし、個人所得も増えません。想定外の事態に直面した場合にも耐えうる財務体質が必要です。とりわけ、中小零細企業は大企業に比べてパフォーマンスの低さが指摘されることがあります。VUCAの時代であるからこそ、中小零細企業のマインドセットを変え、経営のパフォーマンスを向上させていかなければなりません。

経営のパフォーマンスを向上させるためには…

  • 資金繰り管理…会計は自計化し、資金繰り表などでタイムリーな資金状況を把握する
  • 管理会計活用…予算対比により、限界利益に基づく利益管理の導入・運用する
  • 財務状況理解…財務分析による現状把握(成長性、生産性分析etc…)

「利益を生み出す中小零細企業」をつくる有益な仕組み(ツール)が『管理会計』なのです。

横浜総合事務所は、中小企業の「ビジョン実現」をサポートしています。

社長!!一緒に『管理会計』について考えてみませんか?

この記事を執筆したのはです
今井 崇智(Takatoshi Imai)
Team戦略経営支援
マネージャー
税理士・CFP
大学卒業後、会計事務所・航空機部品を扱う商社勤務を経て、2007年に税理士法人横浜総合事務所に入社。以来、「100%真っすぐ誠実に」をモットーとして税務会計をベースに個人事業主・中小企業の経営支援に従事。経営者の「想い」を「見える化」し「実現」していくために経営計画策定支援にも力を入れています。変化の激しい時代においても中小企業の発展のために精進して参ります。
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