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Column

2024.06.18

なぜ事業承継の場面で持株会社(ホールディングス)の活用が候補としてあがるのか

事業承継の場面で「持株会社(ホールディングス)」の話がよく出ると思います。持株会社のつくり方には、「現金の流出があるもの(株式買取)」と「現金の流出がないもの(株式移転、株式交換など)」がありますが、本日は事業承継における代表的な手法である持株会社スキームとして、前者の方法「現金の流出があるもの(株式買取)」についてお話させていただきます。

この記事のポイント
  • 事業承継における持株会社(ホールディングス)の代表的な活用方法がわかります。

持株会社(ホールディングス)とは?

持株会社とは、他の会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社のことをいいます。持株会社には、①純粋持株会社と、②事業持株会社の2種類あります。持株会社というと、一般的には①の純粋持株会社をイメージされる方が多いと思いますが、自ら事業を行っている事業持株会社も多くあります。

  1. 純粋持株会社
    • 自ら製造や販売といった事業は行わず、株式を所有することで、他の会社の事業活動を支配することのみを事業目的とする持株会社
  2. 事業持株会社
    • グループ各社の株式を持つことで子会社を支配しながら、自らも生産活動などの事業を営む持株会社

持株会社(ホールディングス)のつくり方

持株会社のつくり方は複数ありますが、今回は事業承継の場面において活用される代表的な手法として、「株式買取」のスキームをご紹介させていただきます。

STEP1 後継者が出資して新会社(持株会社)を設立する
STEP2 新会社(持株会社)が金融機関から融資を受ける
STEP3 新会社(持株会社)が既存会社の株式を買い取る(譲渡承認の請求などの手続きが必要)

持株会社(ホールディングス)をつくる手順

事業承継における持株会社(ホールディングス)設立の効果

上記スキームによる効果は次の通りです。

メリット デメリット
持株会社・後継者
  • 自社株式の承継が完了
  • 自社株評価額が下がる可能性がある
  • 収益源が既存会社からの配当金のみの場合、事業会社の業績悪化などにより金融機関への返済原資が不足する可能性がある
現経営者
  • 手元に現金が残る
  • 株式の分散防止(相続対策)
  • 自社株式の売却による譲渡所得税などの負担
  • 残りの現金への相続税課税

メリットの「自社株評価額が下がる可能性がある」については、持株会社が自社株式を買い取るために金融機関から融資を受ける、不動産を購入して賃貸事業を行うなど、財務状態や事業内容によっては、結果として自社株評価額が下がる可能性がありますので、事前に各種シミュレーション(損益・資金・株価)をすることが必要です。
また、デメリットの「事業会社の業績悪化などにより金融機関への返済原資が不足する可能性がある」については、文言通りですので、こちらも事前に事業計画の策定などにより、配当可能な金額をシミュレーションしておくことが必要となります。

持株会社(ホールディングス)体制のつくり方は他にもある

事業承継における持株会社スキームとして代表的なものを紹介させていただきましたが、持株会社をつくる方法には「株式移転」「株式交換」「会社分割」もあります。これらの方法は現金の流出をともなわないスキームとなります。こちらは別の回でご紹介させていただきます。

横浜総合事務所では、事業承継の専門チームを中心として事業承継に関する各種ご支援をさせていただいております。事業承継に関する疑問点や質問などございましたら遠慮なくご連絡ください。

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この記事を執筆したのはです
足立 祐介(Yusuke Adachi)
Team事業承継・税務支援
マネージャー
上級経営会計専門家
税理士
1984年生まれ、横浜育ち。大学卒業後、横浜総合事務所に入社し、4年間、中小企業の会計税務支援と上場企業の税務監査業務に従事しました。その後、大手税理士法人に転職し、税務関連業務は継続しながら、事業承継の業務にも従事。様々な経験を積み、2022年1月に横浜総合事務所に再入社しました。現在は、中小企業の永続発展に貢献すべく、事業承継支援、経営計画策定支援を中心とした経営コンサルティング業務に従事しております。 お客さまのビジョン実現に貢献すべく、お客さまの成長スピードに負けないよう、常に成長してまいります。
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