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Column

2025.01.20

MBA(経営学修士)を目指す経営コンサルタントのつぶやき

Why(なぜ)からスタートする:ゴールデンサークル理論

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(50歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます

第10回目のテーマは…マーケティングの前にゴールデンサークルの流れを知る!

2025年の最初のテーマとして、マーケティングの具体的内容を学ぶ前に、サイモン・シネック氏が提唱するゴールデンサークルの理論について、お伝えしようと思います。
2010年にTED(Technology Entertainment Designとは、さまざまな分野の著名人による講演会を企画・運営する米国拠点の非営利団体)で発表されました。
このゴールデンサークルの考え方は、「なぜその製品やサービスを選ぶべきか」を伝えるためのフレームワークであり、顧客に「この商品を買いたい」という理由を感じさせるプロセスを明確に示していると認められ、48か国語で字幕がつくほどの人気の理論です。
参考:TED日本語 – サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか

ゴールデンサークル

【共感を呼ぶゴールデンサークル】

ゴールデンサークル理論は、「Why(なぜ)→How(どうやって)→What(何を)」の順番で伝えることで人は共感しやすいという理論です。
これまでのアプローチはWhat【何を】という具体的商品・サービスの説明や、
How【どうやって】の手段・理論の説明が重視され、Why【なぜ】その商品・サービスの開発に至ったのかという目的・理由の視点が説明不足でした。
競合との差を伝えることを重視し、商品特性やその原理を中心に説明するだけで、顧客にとってなぜその商品が価値を生むのかの提案が弱かったといえます。

つまり説明を「Why(なぜ)」から始めると、他者の感情や信念の部分に触れられるため、共感を得やすく、行動につながるといえるのです。

【ゴールデンサークル理論の活用事例】

具体的なゴールデンサークルの活用例として、サイモン・シネック氏もAppleのスティーブ・ジョブズによるプレゼンから理論を発見したとしています。
Apple社の商品が多くのファンの共感を得ているのは、Whyである信念や価値観を発信することからスタートしているからです。
具体的にiPhoneのメッセージから共感できるのか、少しイメージしてみてください。

私たちは現状を打破し、異なる視点で物事を考えることを信じています。Appleの目的は、ただ商品を売ることではなく、革新とシンプルさで生活をより良くすることです。
「iPhoneは人々がクリエイティブになり、世界中でつながることを可能にします。」

生成AIイメージ図
生成AIイメージ図

このメッセージが心に響く人達がiPhoneのコアなファンになっていったのでしょう。

【ゴールデンサークルの仕組み・ロジック】

ゴールデンサークル理論は、「優れたリーダーが意見をどのように伝え、人を動かしているのか」を、理論づけているといわれますが、惹きつける点においてマーケティングにも応用でき、商品へのコアなファンをつくり、購入に向かわせるために効果的です。
この理論の本質は、ヒトの脳の構造に起因するとサイモン・シネック氏は伝えています。

ヒトの脳の構造は生物の進化の過程において、感情に作用する大脳辺縁系が発達し、その後、
理論的思考で具体的方法を考える大脳新皮質が構築されています。
つまり、脳の構造から、ヒトの判断とは感情面のWhy(なぜ)から、論理的説明となるHow(どうやって)やWhat(何が)の順番で伝えたほうが、より理解しやすいということです。

ヒトの理解の流れ

どんなに良い機能を持つ商品であっても、なぜか感情的に受け入れられない…そんなケースがあったとしたら、それはまさに脳自身がそう判断させているといえます。

今回は、次回以降のマーケティングの説明に入る前に、ゴールデンサークルの説明をさせていただきましたが、ヒトの感情が論理的判断に影響することを踏まえると、マーケティングのみならず、プレゼンテーション、ブランディング、営業活動、人材育成などなど、幅広い分野で活用できる考え方といえます。ぜひ一度、TEDトークの日本語字幕版を視聴してみてください。

まずは、Why(なぜ)からすべての活動をスタートしてみてはいかがでしょうか?
社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬(Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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