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Column

2025.03.18

マーケティング戦略の基礎:STP分析を知る!

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(50歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます

第12回目のテーマは…マーケティング戦略の基礎・STP分析を知る!

前回、マーケティングを学ぶ前提の知識として、Whyからはじまるゴールデンサークル理論についてお伝えしました。人は論理的に考えているようで、実際には直感や情緒的要素に影響を受けやすく、マーケティング戦略においても脳に訴える感覚的要素は重要です。
その一方で、感覚的判断の成功確率を上げるためには、自らの顧客や市場、競合商品を分析・研究し、戦略を設計することは非常に重要といえます。

ゴールデンサークル理論について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
MBA(経営学修士)を目指す経営コンサルタントのつぶやき

今回お伝えするSTP分析はマーケティング戦略を考える上で重要なフレームワークであり、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つのステップから構成されます。
この分析を用いることで、市場の細分化、適切なターゲットの選定、自社の立ち位置を明確にすることが可能になります。以下では、STP分析の各ステップについて詳しく説明し、ビジネスにおける活用方法について考えていこうと思います。

STP分析の各ステップを表した図

S セグメンテーション(市場の細分化)

セグメンテーションとは、市場を異なる特性を持つ顧客グループ(セグメント)に分けるプロセスです。すべての顧客が同じニーズを持つわけではなく、年齢や性別、ライフスタイル、購買行動などに基づいて異なるグループに分類することで、より効果的なマーケティングが可能になります。

セグメンテーションの主な基準

市場を分類するための基準は、以下のようなものがあります。

  • 人口動態の変数:年齢、性別、職業、結果、家族構成など
  • 地理的な変数:国、地域、都市の規模、気候など
  • 心理の変数:ライフスタイル、価値観、趣味、パーソナリティなど
  • 行動の変数:購入頻度、ブランドのロイヤルティ、利用シーンなど

例)スポーツ用品のセグメンテーション例は以下のとおりです。

セグメント 特徴
1 マラソン愛好者 普段使いの商品を定期的に求める
2 競技スポーツ選手・学生 トレーニングを欠かさず専門商品を求める
3 健康志向の高齢者 快適さ安全性のある商品を求める

T ターゲティング(ターゲット市場の選定)

ターゲティングとは、セグメンテーションで分けた市場の中から、最も自社の強みを活かせ、狙うべきターゲットを選定するプロセスです。すべてのセグメントを対象にするのではなく、自社にとっての利益を最大化できる市場を狙うことが大切です。

ターゲティングの主な方法

  1. 無差別型マーケティング
    すべての市場(セグメント)に対して同じ製品・サービスを提供する手法。
  2. 差別型マーケティング
    複数の市場(セグメント)に異なるアプローチをする手法。
  3. 集中型マーケティング
    特定の市場(セグメント)にフォーカスする手法。

例)ターゲティング選定の事例は以下のとおりです。

手法 商品・サービス例
1 無差別型 コモディティ商品(ガソリン、塩、砂糖など)
2 差別型 自動車メーカーの高級車、ファミリー、RVなどのモデル展開
3 集中型 高級腕時計ブランドが富裕層のみをターゲットとするケース

ターゲティング手法の選定においては、「市場規模」「競争状況」「自社の強みとの適合性」などを考慮して、最も有望なターゲットを決定することが重要です。

P ポジショニング(市場での立ち位置の確立)

ポジショニングとは、競争市場の中で自社の商品・サービスを他社と差別化し、ターゲットの心の中に明確なブランドイメージを構築するプロセスのことを指します。

ポジショニング戦略のポイント

ポジショニングを成功させるためには、以下の要素が重要です。

  • 競合との差別化:他社と何が違うのか明確にする(例:価格、品質、デザイン、機能など)
  • 顧客にとっての価値:ターゲットにどのようなメリットを提供するかを明確にする
  • 一貫性のあるメッセージ:ブランドのイメージを一貫して伝える

例)ポジショニングは以下のようなマップに落とし込み競合との位置関係を把握します。
※今回は…最近高騰するお米を参考に。

お米のポジショニングマップ

ポジショニングは縦軸、横軸に何を置くかによっても大きく異なる結果となることから、複数のパターンを試してみることが重要と言われています。

STP分析は、マーケティング戦略を設計する際の基本となるフレームワークです。

  • セグメンテーションで市場をあらかじめ設定し、
  • ターゲティングで最も合理的な市場を注目し、
  • ポジショニングで差別化とブランドの立ち位置を獲得する

STPを活用することで、感覚を起点に創造した製品・サービスの効果的なマーケティング戦略が可能となり、より確実性の高い事業化を実現することができるでしょう。

まずは、自社の主要商品のSTP分析からスタートしてみてはいかがでしょうか?

社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬(Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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