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Column

2024.10.16

思考の枠を広げる・環境分析フレームワークPEST

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(50歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます。

第八回目のテーマは…思考の枠を広げる・環境分析フレームワークPEST

現状分析の最後にお伝えするのは、環境分析のフレームワーク…PEST分析です。
PEST分析の以下の4つの頭文字をとったもので、経営学者でマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラー教授によって提唱されました。

  1. POLITICS(政治)
  2. ECONOMY(経済)
  3. SOCIETY(社会)
  4. TECHNOLOGY(技術)

コトラー教授は、企業が市場で成功するためには、外部環境を正しく理解し、その変化に柔軟に応じた戦略を立てることでチャンスを得るとして、環境分析の重要性をといています。

PESTの4区分を説明した図

PEST分析で外部環境がビジネスに与える影響を考えることが重要ですが、正しく分析できなければ、誤った事業戦略を立案するリスクも生じます
正しい環境分析を進めるためにも、PEST分析の基本的なやり方・手順を意識し以下のステップで行うことをおすすめします。

PEST分析の3ステップ

1 情報収集

まずはより多くの情報を自社に関係するしないで区分せず収集することが大切です。
リサーチの方法はさまざまですが、一般的なものは以下の通りです。

  • 国が収集している各種統計データ
  • シンクタンクの調査レポート
  • 業界団体から発信されている情報
  • 新聞、雑誌などの特集記事
  • インターネットニュース(出どころには注意!)

少し情報の内容は限定されますが、国が毎年発行する【中小企業白書】も一読することをおすすめします。無料で読める将来分析のデータであり、国(政治)が今後事業者に何を求めていくのか、読み解く良い教材として私が学ぶMBAでも推奨されています。

2 PESTの4区分に分類

  • Politics/政治的環境要因とは…
    法規制・規制緩和・国の政策変更・税制改正・政府動向・市民活動・裁判判断など。
  • Economy/経済的環境要因とは…
    景気動向・インフレ、デフレの変化・為替・金利・成長率・失業率・倒産企業数など。
  • Society/社会的環境要因とは…
    人口動態・世帯数の変化・高齢化率・社会意識の変化・教育・健康・文化など。
  • Technology/技術的環境要因とは…
    技術開発・特許などの知的資産・技術の一般化時期・企業の投資動向など。

まずは集めた情報を各枠に分類して、少ない区分は再度情報を集めてみてください。 大切なのは、将来ビジネスを考えるために思考することです。

3 時間軸の判断

4つに分類を行なった後は、それらの環境変化の要因が短期間で影響を及ぼすのか、長期的に影響を与えるのかを見極めることです。
環境要因の影響を時間軸で共有しておかないと、チームメンバーの間で重要性の認識にズレが生じ、事業戦略の選択・実行に問題が発生する可能性があります。

メンバーの目線を合わせるためにも、環境要因の時間軸を意識することが大切です。

「マクロ環境分析」と「ミクロ環境分析」

これまでお伝えしてきた環境分析には、より大きな視点からアプローチする【マクロ環境分析】と、小さな視点からアプローチを行う 【ミクロ環境分析】の2種類が存在しますが、区分けすると以下の通りとなりますので、それぞれの用途を考えながら組み合わせてマクロ・ミクロの両軸で分析することも重要です。

「PSET分析」と「SWOT分析」はマクロ環境分析、「3C分析」と「5フォース」はミクロ環境分析に区分される

SWOT分析について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
分析の王道…SWOTを知る!
3C分析について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
分析フレームを知る!(3C分析)
5フォース(ファイブ・フォース)について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
業界の競争環境を分析する「ファイブ・フォース」

経営において、目指すべき方向となるビジョンを決めることは言うまでもなく重要です。 ですが、私の接する経営者の中にはビジョンばかりが先行し足元の分析ができておらず、誤った現状認識からスタートし、失敗する企業も多いのが事実です…。
正しい戦略を構築するためにも、正しい環境分析からスタートしてはいかがでしょうか?

社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬(Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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