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Column

2024.09.24

【成長性分析編】財務分析から未来を考える!

この記事のポイント
  • 成長性分析とは何か?を理解できます。

成長性分析とは?

前々回から財務分析の4つの指標(収益性分析、安全性分析、成長性分析、生産性分析)についてシリーズでお伝えしていますが、今回は、成長性分析について深掘りしていきたいと思います。成長性分析は売上げだけでなく、3年から5年間の限界利益や営業利益の推移など、様々な視点から成長性を見ることが重要になります。
収益性分析について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
【収益分析編】財務分析から未来を考える!
安全性分析について知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
【安全性分析編】財務分析から未来を考える!

成長性分析 ~代表的な5つの指標~

成長性分析は、企業の売上高や総資本などが、どのくらい成長しているのかを表します。
成長性は、事業拡大が前提であれば、売上高、営業利益、総資本や従業員数などを毎年比較することで把握が可能です。他方、急激な成長は取引が増加することにより資金繰りや商品・サービスの質に影響を与える場合があるため、売上高、コスト、利益、資金繰り、サービスなどバランスを考慮することが大切になります。

代表的な5つの指標について解説していきます。

◆売上高増加率

成長性分析の代表的な指標です。会社の規模が拡大しているか「売上高」推移で確認することができます。競争優位を獲得するために規模を拡大する戦略を取る場合は、従業員のモチベーションも高まり会社が活発になるかもしれません。他方、売上高が前年年対比120%以上の伸び率で推移する場合は、同時にコストも増加することが考えられるため資金繰りも注意が必要になります。
売上高増加率は、以下の計算式で求めることができます。

≪計算式≫
売上高増加率(%)=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100

売上高が急速に伸びている場合は、資金繰りにも注意が必要です。入金サイト・支払サイトの見直しも検討しましょう!

◆営業利益増加率

営業利益増加率は、本業での利益が増加しているかを見る指標です。この指標は、固定費で大きな割合を占める人件費、そして広告宣伝やセミナー費用などの営業活動により本業での利益がどれくらい確保できたか、どれくらい上昇しているかを確認することが可能です。
営業利益増加率は、以下の計算式で求めることができます。

≪計算式≫
営業利益増加率(%)=(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100

営業利益がマイナスになっている場合は、営業活動が利益に結び付いているか、通常は発生しない費用が無かったかなど、必ず原因を確認しましょう!

◆総資本増加率

総資本増加率は、企業の総資本がどれくらい伸びているかを見る指標です。基本的には総資本が増えれば企業の規模は大きくなっているといえますが、総資本の中には、借入金や未払金なども含まれるため、これらの「他人資本(負債)」が増加することで総資本全体が大きくなることがあります。
総資本増加率は、以下の計算式で求めることができます。

≪計算式≫
総資本増加率(%)=(当期の総資本÷前期の総資本)÷前期の総資本×100

総資本増加率を確認する時は、「他人資本」の内訳も細かくチェックすることが大切です。

◆一株当たり当期純利益

一株当たり当期純利益は、EPS(Earning Per Shareの略)とも呼ばれ、その名の通り、企業が発行する株式の一株当たりの利益額を指します。中小企業においては、あまり注目される指標では無いかもしれませんが、決算書の個別注記表で確認することができます。
一株当たり当期純利益は、以下の計算式で求めることができます。

≪計算式≫
一株当たり当期純利益=当期純利益÷期中平均発行済み株式数(※)
※自己株式は含みません。

一株当たり当期純利益が高くなれば企業評価も高い状態になるといえるでしょう。

◆労働生産性増加率

労働生産性とは、従業員一人(時間)当たりが生み出す付加価値を指します。すなわち、少ない人員(時間)で大きな付加価値を生み出すことができれば生産性は向上します。付加価値は損益計算書の売上総利益(粗利)で見ることができます。例えば、売上総利益を従業員数で割ることで、一人当たりの付加価値(生産性)を算出します。人口減少による労働者不足であることから付加価値が高い商品・サービスの提供やDX・AIの活用も未来を切り開くカギとなるでしょう。
労働生産性増加率は、以下の計算式で求めることができます。

≪計算式≫
労働生産性増加率(%)=(当期の労働生産性-前期の労働生産性)÷前期の労働生産性×100

「積極的な投資」「高い付加価値商品の提供」が生産性向上に直結します。

貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の図

財務分析は、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を使用して、企業の財政状態や経営成績を分析し、現状を把握することが一つの目的です。企業の「あるべき姿」を描くことと同時に、企業を成長させるためには財務分析はとても重要です。

財務分析(成長性分析)を通して、未来の目標を設定し、具体的な改善策を考え、実行と検証を定期的にチェックし強い会社を創りましょう。

横浜総合事務所では、『未来会計』を通して中小企業の「ビジョン実現」をサポートしています。

社長!!一緒に『財務分析』してみませんか?

この記事を執筆したのはです
今井 崇智(Takatoshi Imai)
Team戦略経営支援
マネージャー
税理士・CFP
大学卒業後、会計事務所・航空機部品を扱う商社勤務を経て、2007年に税理士法人横浜総合事務所に入社。以来、「100%真っすぐ誠実に」をモットーとして税務会計をベースに個人事業主・中小企業の経営支援に従事。経営者の「想い」を「見える化」し「実現」していくために経営計画策定支援にも力を入れています。変化の激しい時代においても中小企業の発展のために精進して参ります。
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