ティーブレイクタイム〜事業承継の現場から〜
経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(50歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。
- MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます
第9回はちょっとティーブレイクで…事業承継の現場からを発信します!
通常MBAのカリキュラムは経営に必須な授業科目を取得することに加え、自分の学びたい講座を選択するスタイルなのですが、各学校により学べる内容に特徴があります。 私の通うM大学は卒業生の中に、中小企業の経営者が多いこともあり、以下の人材育成に重きを置いた授業が多数あり、事業承継・第二創業にむけた学びの多い内容となっています。
- ファミリービジネス発展のための経営者、後継者及びサポート人材
- 新規事業や第二創業を含むスタートアップビジネスを担うイノベーション人材
この「育成を目指す人材像」が示すように、学問の世界でも【事業承継】は大きなテーマです。
ちなみに私のサポートする社長の平均年齢は…計算してみると案外お若く58歳!
その内4社はこの数年内の事業承継で、経営者が若返った先。
7社は経営者が変わるタイミングでサポートをお受けした企業で、そもそも社長がお若い先。
残りの会社の内、4社は事業承継の一つの戦略としてM&Aも視野にある先。
残りは…事業承継の前に改善が必要なお客様…。
実際のところ、60歳を前に承継の在り方を考え始める社長が大半です。
私の支援する企業の割合からから考えると、経営者を一定の期間で承継できる企業は業績が好調であり、社会変化や環境変化に合わせた事業戦略の見直しや組織の再構築ができる会社が多い!
では事業承継にむけた最大の課題とは何なのか?
日本政策金融公庫の調査データから、第一の課題は【後継者の経営能力】。
人口減少、国際情勢の変化など…経営能力が無ければ乗り越えられない時代ということ。
今ある事業や組織だけで、存続できるほど易しい環境にはなく、新たな事業の設計・構築ができる人材こそが、次の経営者として求められます。
大谷のようないわゆる【両利きの経営】ができる人材がこれからの時代、必要になってきます。
財産承継や経営権の承継ももちろん大事ですが、それ以上に、経営の承継には既存の事業と新たな事業の組織文化を構築できる高い価値観をもった経営能力が必須です。
先日も80歳を超えたお客様の事業承継の相談を受けたのですが、お伝えしたのは…
- 社長のように発想できる後継者は自然に育たない。
- 内部でキチンと育てる時間を確保してきたのか?
- 親族だからといって安易に承継できる時代ではない。
- 同じ悩みをもつ中小企業の経営者こそ、最高の承継相手になる可能性もある。
- 社長がいつまでも会社を見れるわけではない。
半年以上、社長の悩みを聞いてきたからこそ、ご家族・社員さん、全ての会社に関わる人たちが幸せであって欲しいので、無理な内部承継ではなく、相応しい人材への承継をお勧めした結果、M&Aでの相手探しを前向きに進める決定をして頂きました…。
経営とはシンプルに、事業を人にやってもらうこと。
そのためには経営者の育成か、外部からの登用は必須です。
解っているのに中々できないのが実際の事業承継ですが…。
かくいう当社は、代表の泉が60歳での事業承継を目指し、幹部人材の育成を実施してきた結果、山本を中心とする経営体制が構築できています。 その間創業者の泉には心臓の壊死やガンなど、いろいろなリスクもありましたが 、今は講演活動など、経営の本質をお客様に伝える仕事に専念してもらっています。 12月には、事業承継をテーマに久々のセミナーも予定ありです!
事業承継は経営者にとって最後の大仕事。 悩んで行動しないより、まずは早めに着手することをお勧めします!
社長!本当に経営、できていますか?