『未来会計』 ~取り組み事例~
- 会計確認の習慣化を目指します。
予実管理の導入
『未来会計』の取り組みの第一歩は経営計画策定です。今回は、実際に経営計画(数値計画)を策定し、予実管理を行う中小企業の取り組み事例についてお伝えします。
取り組み事例
中小企業が毎月予実管理をしている割合はどれくらいでしょうか。 3年ほど前に出会った製造業を営むM社の社長は、創業から約35年間、いわゆる「どんぶり勘定」「売上至上主義」の経営をされていて、毎月の売上・利益や原価率など自社の財務状況はあまり把握されていませんでした。そこで、「明確な数値目標」と「数値モニタリング」により、会計チェックを習慣化することで業績向上を目指し、以下の3点に絞った取り組みを開始しました。
- 現状を分析する
- 予算(数値目標)を立てる
- 毎月、予実対比をする
決算書や試算表から自社の資産・負債・自己資本を確認し、どこから資金を調達し、何に使ってきたのか、貸借対照表のバランスを確認します。そして、売上や利益率の推移や経費項目から損益計算書の状況を把握します。概ね、3~5年の推移で変化を見ながら現状を分析します。
現状を把握したら、数値目標を立てていきます。始めは、数年後の数値計画がイメージできなかったので単年度の数値計画を立てました。大切なのは、「どんな会社にしたいのか?」「どのくらい固定費がかかり、どのくらい利益を確保するのか(できるのか)?」を数値で把握することにあります。
初めて計画を立てた社長は、「思っているより経費を使っている」「思っていたより原価率が高い」など、「思っていた数字・・・」とはかけ離れていました。そこで、まず「変動損益計算書」を作成し、自社の固定費や正しい利益率(限界利益率)を確認すると、「かけ離れていた数値」が徐々に「あるべき数値」に変化していきました。
何度も修正を繰り返して、1年間の目標数値を決め、予算を作成します。
予算が決まったら、次に大切なことは、出来るだけ早く月次決算を行うことです。M社では予実管理の導入当初は3ヶ月遅れだった月次試算表を毎月確定させることで予実対比が可能になりました。数値に乖離が生じたら即原因を確認し、近い将来、数値計画の変動が見込まれる場合には、即予算を見直して、新たに予実対比をしていきます。
取り組みによる変化
予実対比を行うようになってから2年。月商は従来の2倍になる月もあります。社長は、「売上だけでなく、変動費率(限界利益率)を常に意識するようになった。」と仰っていました。そして、決算も赤字から黒字に転換しました。
何が変わったのか?
毎月、社長と一緒に数値を確認する中で、最も変わったのは社長の「マインド」です。売上だけではなく利益や原価率を日々意識しながら仕事をされていることが社長の言動から伝わってきます。そして、マインドの変化は「行動」の変化をもたらします。取引先との金額交渉や社員に対して1円を拾う(例えば、過度な材料仕入れはしない)ことの重要性を伝え続けることが利益の確保に繋がると感じます。
横浜総合事務所では、『未来会計』を通して中小企業の「ビジョン実現」をサポートしています。
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